愛おしい人へ・・・
私が真実を語ったらあなたはどうしますか?離れますか?嫌いになりますか?


Naked Truth
〜ありのままの真実〜



Killコーン・・・今日最後の授業を始めるチャイムがなった。
オレはどこも担当する所がないため、廊下をフラフラと歩いていると 
ふと、音楽室の前で足が止まった。
「ピアノの音・・・」 
授業で誰も居ないはずなのに、ピアノの綺麗な音が聞こえた。
オレは音楽室のドアを静かに開けると、一人の少女がピアノを弾いていた。
彼女の名前は・・・死武專生の一人。
「あっ!!シュタイン・・・!い、いつから居たの!?」彼女はオレに気付いたらしく、ピアノを弾くのをやめた。
「ついさっきですよ?君は・・・また授業をサボって・・・」
「へへっ・・・」オレがため息まじりで言ったら、頭をかきながら彼女は笑った。
?」
「何?」
「さっきの曲、始めから弾いて下さい」オレが笑って言うと、彼女は少し頬を赤くした。
「OK。わかった!あなたのためにもう一回弾くな!!」彼女が笑顔で返し、ピアノを弾き始めた。
オレは目をつぶり、壁によし掛かって聞いた。
綺麗で滑らかな旋律・・・
「ショパンワルツ第七番」彼女が弾く曲の中で一番好きな曲。
美しくて、少し暗くて、懐かしい・・・この曲が懐かしく聞こえるのは、昔彼女がよくオレに弾いてくれたから・・・
彼女はオレの実の妹、そしてオレが初めて実験に使った人でもある。
実験前、オレらは毎日仲良く暮らしていたが、実験後・・・彼女は全部の記憶を無くした・・・
実験内容、それは、普通の人間を武器にすること。オレはそれに成功した・・・成功した時の嬉しさ快感が体の底から込み上がる。そう、そこからオレは始めた。普通の少年から快感を求める快楽主義者へと・・・
彼女の姿を見ると胸が痛む、笑顔を見るとこの手で壊したくなる、何でオレは変わってしまったんだ・・・!

目を開けると一筋の涙が頬を伝った。泣くのは久しぶりだった。オレは涙を拭うと、彼女の所に歩みよった。
彼女はオレに気付かないで、弾き続けている。
・・・」オレは彼女を後ろから抱きしめた。
「っな!シュッ、シュタイン!?」彼女は驚いてピアノを引く手を止めた。
「っ・・・」彼女を抱く腕に力が入る。
彼女はオレから何かを感じたのか、オレの腕に手を掛けた。
「どうしたの?オレでいいならさあ、話し聞くよ?」彼女の声がオレの心に優しく響いた。
・・・ごめんな?そして・・・愛してるよ」一粒の滴が床に静かに落ちた。

愛しい人へ・・・
私が真実を語ったらあなたはどうしますか?
離れますか?嫌いになりますか?
それとも・・・私の罪を許して、また愛してくれますか?
・・・真実を語ってあなたにどうされようと、どう思われようと
私はあなたを愛し続けます。

-END-

[author: noko * bg: NOION]