貴方が男で、
私が女。
仲間ではいけない存在。
だって、私は魔女なんですもの。
Chuckle
暗い闇の中。
少女――――は遊んでいた。
お人形たち――――いや、町に住んでいる人間達でクルクルクルクル、と人間達が踊りを見せる。
いつもはつまらない、ただの踊り――――でも、今日は違った。
「くすっ……」
つい、口から笑い声が漏れる。
くすくすくす――――、とつい、笑いが込みあげる。
「アハハハハハハハ!!!!!さぁ、今日はお祭りよ!!お祭りなのよぉ!!!!!」
何でだろうか?
今日はとっても気分がいいのよ。
あぁ、本当に楽しいな!!!
「貴方はどう思うのかしら、死神さん?」
「…………」
「あぁ…………ごめんなさい。貴方は『 デス・ザ・キッド 』って言うがあるんでしたよね?」
「…………」
キッドは黙っている。
けれど、は話を続けた。
あぁ、そうだ。
今日は観客が一人多いから、とっても、とっても、楽しく感じられるんだ!!
その時だった。
の頭に、拳銃が突き付けられる。
魔女だからといって、さすがに頭の中の脳を打たれたら、死んでしまう。
「」
「…………」
「なんでなんだ…………」
「…………」
「なんでお前がっ!!……………………」
「魔女なんだもの」
は笑った。
くすくすくすくすくす、と笑った。
笑うしかなかった。
笑うことしか、私にできることはなかった。
だって、私はできそこないの魔女だもの。
魔女なのに、死神と仲良くして、お友達になってしまって、情がわいて殺すことなんかできない、ただの役立たずになっちゃったんだもの。
私は――――
はキッドのほうを向いた。
そして、キッドの持っている拳銃を首にあてる。
「ねぇ、キッド…………」
「…………」
「私は魔女だよ?」
「……………………」
「貴方は死神…………」
「………………………………………」
「私をこの世から消して?」
最後のお願いだから。
もう、私は―――笑えないの。
貴方のそばで笑えないの。
だったらせめて、
貴方の手で私を消して?
「お願いだから………」
「……」
「私のお願い聞いてよぉ……」
涙があふれ出す。
冷たい涙が、ぽろぽろと。
お願いだから、最後だけ。
本当に最後のお願い。
「私を――――」
END
[author: 氷河レイ * bg: Sky Ruins]