「はぁ・・・。」

あの超筆記試験のテストの結果、返ってきたのは赤点だった。
勉強したんだけどなぁ。
あ、でも前日に魂を狩ってたからそんなに勉強してないか。

「見事な赤点だな。。」
「・・・・。」

何なんだコイツ。私が落ち込んでるのを知っててか。

「うるさいなぁ。キッドなんか0点じゃん。」
「俺は美しく字を書けなかっただけだ。家に帰ってから解いたらあんなもん30分で解けた。」
「へ、へぇ・・・。」

まぁ死神様の息子だからな。
けどそれって結果的には0点なことにはかわりないでしょ。
とか思ったけど、言ったらまた不機嫌になりそうだから黙っておいた。

「で、何?私を嘲笑いにきたわけ??」
「そんな無駄な時間があったら他のことに使いたいね。俺の一日はきっちりかっちりと計画をたて・・・」
「あー!!なるほどね!!つまり何か私に用があるんだね!!!」
「・・・そういう事になるな。」

顔をしかめてキッドはそう言った。
自分の言葉を遮られたのが不満なのだろう。
なるべく顔を合わさないように言葉をつないだ。

「それで何の用?」
「先生に頼まれたのだ。の勉強を見てほしいと。」
「ほぅ・・・。その先生の名前は??今すぐボコってくる。」
「待て待て。」

キッドは立ち去ろうとする私の手をつかんだ。

「どこの先生?!私を馬鹿にしすぎ・・。」
「馬鹿だから仕方ないだろう。」
「ちょっと!!」

そのまま私の意見を無視し、手を握ったままどこかに連れて行かれそうになる。
人の視線が・・痛い。

「あのー・・。どこに行くの??」
「図書室だ。あそこなら問題ないだろう。」
「勉強するの確定?!」
「当たり前だ。やるからには一からきっちりかっちりと・・・。」

いつ解放されるの?!私!!
私は逃れられない補習に強制参加させられた・・・。


「ん・・・。」

目を覚ますと・・ってか私、寝てた?!
いつから?!嘘??!!
キッドに勉強教えてもらってて、眠くなって・・それから・・それから・・!!!
ふいと気づいたキッドの存在。
あれ?!キッドどこ行った?!

「あ・・何だこれ。」

隣に座っていたキッドの席に置き手紙があった。
それをとって書いている文字に目を向ける。

「お疲れ様。
 しっかり休んでおけよ。
 それと、
の寝顔、悪くはなかったぞ。
                    デス・ザ・キッド」


え?!・・・・え?!!

「おー―。勉強熱心なのもいいが、もう帰れー。」
「え?あ!!そうだ!!シド先生!!酷いじゃないですか!!
 赤点の子は補習なんて聞いてませんよ!!」
「補習?なんだ??それは。」
「とぼけないで下さい!!他の先生が決めたのかもしれないけど・・・。」
「今回のテストに補習なんてつけた先生なんていなかったぞ。
 俺は嘘を言わない。そんな男だった。」

「じぁ早く帰れよー。」というシド先生の声を背景に、私は手に持っている置き手紙をもう一度読んだ。

・・・・・・・・・まさか?!



鈍感girlのおとし方

(私・・・やられた?!)

[author: 春翠 * bg: fractal laceworks]