「キッド、ここがいい」
「ここって…ただのファミレ、」
「いいのいいの!」




が大好きなカフェオレを頼んだ。俺も何か飲もうと思ってコーヒー、「じゃああたしもコーヒーで」が横から言ってきて、ファミレスの店員がにこにこしてかしこまりました。一礼してどこかに行った。デザートも食べようとしているのか、メニューを見て「あ、これおいしそうだなー」とにこやかに笑っている。俺は、ただとデートしたくて一緒にいるんじゃない。




「キッド、ケーキもいい?」
「あ、ああ」
「てんきゅー!」




 俺はいつもが魔女だという真実を自分で見つけて自分でそれを認めずに心のどこかに隠していた。一緒にいると殺気も何も感じないし、普通の人間、そんな感じだった。だけど時たま違う時があったりもしたが、俺は、それを自分で見つけて自分で否定した。と一緒にいると楽しいし、好きだ。だけど、死神と魔女、そういう関係を考えると頭を抱えたくなる。




「キッド?どうしたの?コーヒーきたよ」
「…ああ」
「どしたのキッド、何か今日変だよ」
「そうだな…、変だな」




 ゴト、が持っていたコーヒーのカップがまだ全然飲んでいないのに机に置かれ、そして俺を睨むように見た。そして苦笑いをしながら別の俺に向けて溜め息を吐いた。そして俺に向けて笑った。「あたし知ってたよ」静かには口を開いていった。「キッド、死神様の息子なんでしょう?」俺はに自分の事を何も言わなかった。何もかも言わなかった。死武専にいる事も、死神様の息子という事も。




「……え」
「ね、そうでしょキッド。いいじゃんね。あたしだって黙ってたもんね。お互い様だよね。でももう終わりだね。」




 悲しく、笑った。もう頼んだコーヒーは冷たくなってしまったのだろうか。が一瞬驚いて、そして冷たい笑みで俺に「キッド、」と言った。「…何だ」咄嗟のこの手が、の手を強く握っている。




「ありがとう、キッド。次会う時は、敵だけど…すっごい楽しかったよ。」




 何かの魔法の様に俺の手はがこの場所から出ていく。追いかけて、抱きしめてがむしゃらにキスが出来たなら、俺はどんなに幸せ者だったんだろう。もうは、俺の背中に腕を乗せる事もないのだろうか。
















[author: はるの]